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【ウロストミー解説】尿路系ストーマの基礎知識と日常生活のケアポイント

ウロストミー(尿路系ストーマ)は、膀胱がんの治療や先天性疾患、外傷などによって膀胱や尿道の機能に問題が生じた場合に、腹壁にストーマを造設して尿を排出できるようにする医療処置です。消化器系ストーマとはケア方法や注意すべき点が異なるため、それぞれの特徴を理解することが大切です。手術後の生活に不安を感じる方やご家族も多くいらっしゃいます。
この記事では、そうした不安を少しでも軽減できるよう、ウロストミーの基本的な知識から、具体的なケア方法など、実践的な情報をわかりやすく解説します。

ウロストミー(尿路系ストーマ)と生活するための基礎知識

ウロストミーは膀胱がんやその他の疾患・外傷などで、膀胱摘出または機能障害が生じた際に造設される人工の尿排出口です。コロストミー(結腸ストーマ)やイレオストミー(回腸ストーマ)とは排泄物や管理方法が大きく異なります。
ウロストミーの特徴を理解することで、日常生活をより過ごしやすくすることにつながります。

消化器系ストーマとの根本的な違い

ウロストミーとコロストミーやイレオストミーの最大の違いは、排泄物の種類です。コロストミーやイレオストミーでは便が排泄されるのに対し、ウロストミーでは尿が排泄されます。
この違いにより、使用する装具の構造や日常のケア方法が異なります。また、尿路感染や結晶の付着など、ウロストミー特有の注意点を踏まえた管理が大切です。

ウロストミー用装具の構造と逆流防止の仕組み

ウロストミー用装具には、逆流防止弁が備わっています。この逆流防止弁は、一度排泄された尿が再びストーマに触れることを防ぐ仕組みです。

尿は生成時には無菌ですが、パウチ内で時間が経つと菌が繁殖する可能性があるため、この仕組みが逆行性尿路感染症のリスク低減に役立ちます。

パウチからの尿の排出方法とタイミング

パウチからの尿の排出は、パウチの3分の1程度に尿が溜まった段階で行うことが一般的です。これは2~3時間ごとの間隔となることが多いです。尿を溜めすぎると装具へ負担がかかり、剥がれや漏れの原因となる可能性があります。

排出後は排出口を確実に閉じることで、尿漏れによる皮膚トラブルや感染のリスク低減につながります。

【悩み別】ウロストミーの日常的なケアと生活のポイント

ウロストミーを造設した方が直面する主な悩みは、装具からの漏れ、におい、皮膚トラブルの3つです。
これらの問題は適切なケア方法を実践することで改善が期待できます。

まずは全ての悩みの解決につながる装具交換の基本手順を確認し、その後、各悩みの具体的な対策を詳しく解説していきます。

装具交換の基本的な手順

装具交換は「準備」「剥がす」「清拭・観察」「装着」の4つのステップで行います。準備段階では室温を体が冷えず快適に作業できる温度に設定し、剥離剤、石鹸や洗浄剤、拭き取り用のガーゼ、ビニール袋などの必要な物品を揃えます。

剥がす際は皮膚を押さえながらゆっくり丁寧に行い、清拭時は石鹸を泡立ててストーマ周囲を優しく洗浄します。ウロストミー特有の注意点として、常に尿が出続けるため、ロール状にしたガーゼをストーマに当てて尿汚染を防ぎながら作業を進めることが大切です。

「漏れ」を防ぐための工夫

漏れ防止には面板の適切なカットが重要です。面板の孔のサイズはストーマより2mm程度大きめを目安とし、肌とのすき間ができないよう丁寧にまわりを滑らかに整えます。さらに、皮膚保護剤をストーマ周囲にフィットさせることで密着性が高まり、漏れリスクの軽減につながります。

夜間や長時間外出時には、容量の大きな採尿バッグ(1,000~2,000mL)を使用することでより安心して過ごせます。採尿バッグはメーカーによって1~2週間程度繰り返し使用でき、経済的な面でもメリットがあります。

※推奨使用期間はメーカーごとに異なるため、使用前に各製品の取扱説明書で確認してください。

気になる「におい」を抑えるための対策

ウロストミーのにおいの主な原因は尿路感染やパウチ内の細菌繁殖です。対策として十分な水分摂取により尿を薄めることが基本となります。さらに、専用消臭スプレーの活用も一つの方法です。

ダンサック ノドールS 50ml

ストーマ袋の交換時・排出時の気になるにおいを効果的に中和する専用消臭液です。無香料・無色で自然な使い心地。ストーマ袋の交換時に利用することで消臭フィルターを長持ちさせます。
50mLサイズの他に250mLサイズがあります。

m9クリーナー

レッグバッグや蓄尿容器の汚れ・においを効果的に除去する濃縮液体クリーナーです。
弱アルカリ性で刺激が少なく安心してご使用いただけます。付属の洗浄ボトルで温湯希釈し約60回分使用可能です。

デリケートな「皮膚トラブル」の予防法

皮膚トラブルの主な原因は尿の付着、剥がす際の物理的刺激、汗の3つです。尿が付着したままの状態を放置すると皮膚トラブルの原因となるため、装具交換時に皮膚を石鹸で洗浄し、しっかり乾かすことが基本となります。面板を剥がす際には剥離剤を使用し、皮膚を押さえながらゆっくりと剥がすと物理的刺激を軽減できます。

特に夏場など面板下の発汗が多くなると皮膚トラブルの原因となります。面板が汗を大量に吸うと、皮膚保護剤が溶解したり膨潤(白く膨らむ)したりする状態になります。皮膚保護剤が水分を吸収しきれない状態のまま装具をつけ続けることが皮膚トラブルの原因となります。

装具を貼り付ける前に皮膚をよく乾かし、必要に応じて皮膚被膜剤を用いて保護膜を作ることが、汗や尿から皮膚を守る予防方法の一つです。

皮膚被膜剤についてはこちらからご覧いただけます。

ウロストミーに関するよくある質問

ウロストミーを造設した方から寄せられるご質問の中でも、特に多いのが日常生活に関する疑問です。
食事や水分摂取、外出時の工夫、入浴や温泉の楽しみ方について、具体的な対処法とポイントを解説していきます。

食事や水分摂取で気をつけることは?

基本的に食事制限はありません。バランスの良い食事を1日3回きちんと摂ることが大切です。
ただし、1日に1,000~1,500mLの尿が排泄されるため、尿路感染予防、においの軽減、尿結晶の予防のために十分な水分摂取を意識することが望ましいです。ビタミンCを含んだ食品は尿の酸性度を保つ働きがあるとされています。

食事については、以下の記事でも詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

長時間の外出を支える「レッグバッグ」とは?

レッグバッグは脚に装着して尿を貯められる袋で、蓄尿量を増やすことで外出時や移動時の不安を軽減するストーマケア用品です。容量は350~900mLと幅があり、小柄な方やスポーツ時にはコンパクトなもの、就寝や旅行時には、大容量のものを選べます。

長時間トイレに行けない状況にも対応できるため、日常生活を支援するアイテムの一つです。

装具をつけたままの入浴や温泉は可能?

装具を外して入浴することもできますが、ウロストミーの方は常に尿が排出される状態のため、装具をつけたまま入浴することが推奨されます。装具をつけたまま入浴する場合は、事前にパウチ内の排泄物を空にしておくことが大切です。公衆浴場や温泉を利用する際も同様の準備を行い、必要に応じて面板の外周に防水テープを貼って補強することで、安心して入浴を楽しめます。

入浴については、以下の記事でも詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

ストーマに関するご相談はヤガミホームヘルスセンターへ

ウロストミーを造設された方にとって、適切なケア方法を身につけることは日常生活を送る上で大切です。装具からの漏れやにおい、皮膚トラブルなど、一人で抱え込みがちな悩みも、正しい知識と適切な対処法を知ることで対応しやすくなります。
ヤガミホームヘルスセンターでは、本記事で紹介した商品の他にも、ストーマに関する用品を豊富に取り扱っております。
ストーマに関することで不安や疑問がある方は、ヤガミホームヘルスセンターへお気軽にご相談ください。

※本記事は情報提供を目的としており、医療相談に代わるものではありません。個別の症状については医療従事者にご相談ください。

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