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ストーマのパウチが膨らむ原因と対策|脱臭フィルターで快適な毎日を

消化器系ストーマ保有者にとって、パウチがガスで膨らむ「バルーニング」は大きな悩みの一つです。見た目が気になるだけでなく、溜まったガスの圧力で面板が剥がれてしまう可能性もあります。

この記事では、パウチにガスが溜まる原因から、日頃からできる予防策、すぐにできるガス抜きの方法までをわかりやすく解説します。

※ガスの発生量や対処法の効果には個人差があります。気になることがございましたら、医療従事者にご相談ください。

ストーマのパウチがガスで膨らむ「バルーニング」とは?

バルーニングとは、ストーマ用装具内にガスが溜まり、パウチ(袋)が風船のように膨らむ現象です。

バルーニングが起こると、衣服の上から膨らみが目立ったり、溜まったガスの圧力で面板が皮膚から剥がれ、排泄物が漏れる原因になったりすることがあります。こうした問題は、日常生活における心理的なストレスにもつながります。

バルーニングの原因は、主に以下の2つです。

  • ガスの発生量が多い
    食事や生活習慣によって体内で発生するガスの量が増え、パウチ内にガスが溜まりやすくなる。
  • 脱臭フィルターの目詰まり
    脱臭フィルターが正常に働かず、発生したガスを排出できなくなる。

原因①:ガスの発生量が多い場合

バルーニングの主な原因のひとつは、体内で発生するガスの量が多くなることです。食事中に飲み込む空気や、腸内での発酵などによってガスが増えると、パウチ内にガスが溜まりやすくなります。

ここでは、ガスが発生しやすくなる生活習慣と、その発生を抑えるための食事や日常の工夫について紹介します。

食事や生活習慣によるガスの発生

パウチ内に溜まるガスの多くは、食事の際に食べ物と一緒に飲み込む空気が原因とされています。特に、以下のような習慣は無意識のうちに空気を飲み込みやすくします。

  • 早食いをする
  • 会話をしながら食事をする
  • 麺類などをすする
  • ストローを使用する

また、特定の食べ物や飲み物もガスの発生を促すことがあります。

【ガスが発生しやすい食べ物・飲み物の例】

  • 食物繊維を多く含むイモ類、豆類、緑黄色野菜(消化の過程でガスが発生)
  • ビール・炭酸飲料(炭酸ガスを含む)
  • 麺類(すすって食べることで空気を飲み込みやすい)
  • チューインガム(噛む際に空気を含みやすい)
  • 貝類(消化に時間がかかりガスが発生しやすい)
  • 辛い料理(腸の動きが活発になりガスが発生しやすい)

ストーマ保有者の食事については「ストーマ保有者の食事術|においやガスを抑える工夫とは」の記事で紹介しています。

ガスの発生を防ぐための食生活・生活習慣

ガス抜きの対処法だけでなく、日常的にガスの発生をコントロールし、バルーニングを予防することも大切です。

ガスの発生を抑えるためには、食事の工夫が効果的です。

  • ゆっくりよく噛んで食べる
    空気を飲み込みにくくするため、口を閉じてゆっくり食べる習慣をつけるのがおすすめです。
  • 食事内容を記録する
    何を食べた日にガスが溜まりやすいかを記録しておくと、原因となる食べ物を特定し、摂取量を調整するのに役立ちます。
  • 腸内環境を整える
    ヨーグルトや乳酸菌飲料などを摂取し、腸内環境を整えることもガス対策に役立つことがあります。

原因②:脱臭フィルターが機能していない場合

もうひとつのバルーニングの原因は、目詰まりによってパウチに備え付けられた脱臭フィルターが十分に機能していないことです。脱臭フィルターが長時間湿気や排泄物に触れると、目詰まりを起こしてガスが排出しにくくなり、パウチが膨らみやすくなります。

ここでは、脱臭フィルターの機能低下が起こる仕組みと、その性能を維持するためのポイントを詳しく解説します。

なお、脱臭フィルターが目詰まりしていなければ、パウチを優しく手で押さえることで、脱臭フィルターからのガス排出を促せます。その際、お腹に負担がかからないよう、優しく行うことが大切です。

脱臭フィルターの目詰まりを防ぐための工夫

脱臭フィルターの目詰まりを防ぐには、装具を清潔に保ち、適切なタイミングで交換することが大切です。

ツーピース装具であればパウチのみを定期的に交換し、常に新しい脱臭フィルターを使用できます。ワンピース装具の場合も、面板の交換目安を守ることで、脱臭フィルターの機能を維持しやすくなります。

消化器系ストーマの場合はパウチ内用の潤滑剤を活用することも有効です。排泄物がフィルター部分に付着しにくくなり、目詰まりの予防に役立ちます。

日常のケアと装具の管理を適切に行うことで、脱臭フィルターの性能を長く保ち、バルーニングを予防しやすくなります。

脱臭フィルターの性能は製品によって異なる

脱臭フィルターの構造や機能は、メーカーや製品によって大きく異なります。ガスを効率よく排出できるタイプや、湿気や目詰まりに強いタイプなど、それぞれに特徴があります。自分の排泄物の性状や生活スタイルに合った製品を選ぶことで、より快適に使用できます。

たとえばコロプラスト社の「センシュラ ミオ1」はフィルター自体を大きくしてガス抜き性能を高めています。アルケア社の「セルケア®2・Cf」は指でつまむことで通気性が回復するユニークな機能を持つ製品です。

※製品の特徴はあくまで一例であり、個々の状態に適した製品は異なります。
※装具の選択や変更については、必ず医療従事者にご相談ください。

パンケーキング現象への対処

脱臭フィルターの性能が良すぎてパウチ内の空気が抜け、内部が真空状態になる「パンケーキング」という現象が起こることがあります。パンケーキングが起こると、排泄物がパウチの下部まで落ちにくくなり、漏れや皮膚トラブルの原因になる可能性があります。

このような場合は、装具に付属しているフィルター用シールやテープでフィルターの穴を塞ぎ、機能を一時的に停止させることで対処できます。もし付属のシールがない場合は、かかりつけの医療機関や専門の相談窓口に対応方法を相談してみるのがおすすめです。

膨らんだパウチのガス抜き方法

一般的な方法はパウチの排出口を少し開けてガスを抜くやり方です。面板とパウチが別々になっているツーピース(二品系)装具を使用している場合は、面板とパウチの嵌合部(かんごうぶ)を少しだけずらしてガスを抜くこともできます。

ストーマに関するご相談はヤガミホームヘルスセンターへ

ストーマのパウチが膨らむ「バルーニング」は、消化器系ストーマを保有する多くの人が抱える悩みです。その原因を知り、適切な対処法と予防策を実践することで、日々の不安を軽減できる可能性があります。食事や生活習慣を見直し、ご自身に合った装具やストーマケア用品を活用しながら、快適な毎日を目指してはいかがでしょうか。

ストーマ用装具や関連用品についてのご質問は、ヤガミホームヘルスセンターへお気軽にご相談ください。豊富な品揃えで、お客様のご要望にお応えいたします。

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