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ストーマ周囲の洗浄・清拭の基本|皮膚トラブルを防ぐケア方法を解説

ストーマ周囲の皮膚はデリケートなため、日々の洗浄や清拭が欠かせません。しかし、「洗い方はこれで合っているのか」「どの洗浄剤を使えばいいのか」と、ケア方法に悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、基本的な洗浄・清拭の手順や洗浄剤の特徴、状況に合わせた選び方のポイントについても解説します。

ストーマ周囲の皮膚の洗浄・清拭におけるスキンケアの基本

ストーマケアにおいて、ストーマ周囲の皮膚を洗浄・清拭することは、皮膚を健やかに保つための基本であり、非常に重要です。なぜ洗浄や清拭が必要なのかという目的から、ケアを始める前の準備までを解説します。

皮膚トラブルを防ぐための洗浄・清拭の目的

ストーマ周囲の皮膚は刺激を受けやすく、トラブルが起こりやすい環境にあります。主な原因は、排泄物による「化学的刺激」と、面板を剥がす際の「機械的刺激」の2つです。

洗浄・清拭は、排泄物や汚れをしっかり取り除き、皮膚を清潔に保つことで、本来の生理機能を守ることを目的としています。このようなケアを続けることで、皮膚が外部の刺激から身を守る「バリア機能」が保たれ、トラブルの予防につながります。

特に、汗をかきやすい夏場は、面板が溶けたり膨らんだりしやすくなるため、より丁寧な洗浄・清拭による清潔保持が求められます。

ストーマの洗浄・清拭後の保湿ケア

洗浄後の皮膚は一時的に水分が失われやすく、乾燥しやすい状態になります。そのままにしておくと刺激を受けやすくなるため、保湿剤でうるおいを補い、皮膚を保護することが大切です。乾燥を防ぐことで、かゆみや炎症などの皮膚トラブルの予防にもつながります。

ただし、保湿剤を塗った直後に装具を貼ると剥がれやすくなるため、皮膚になじんでから貼り付けることがポイントです。

シルティ保湿ローション

皮膚の保湿成分を補い、バリア機能をサポートする保湿剤です。ストーマ用装具を貼付する際は、ローションが皮膚にしっかりと馴染んだことを確認してから使用します。

【種類別】ストーマの基本的な洗い方と清拭の手順

ストーマの種類(コロストミー・イレオストミー・ウロストミー)によって排泄物の状態が異なるため、洗浄・清拭の手順や注意点も変わってきます。

コロストミー・イレオストミーの洗浄手順

コロストミーやイレオストミーは、面板を剥がした際にストーマ周囲に排泄物が付着していることがあります。汚れを広げないように洗浄することがポイントです。

  1. 面板を剥がす:粘着剥離剤を使い、皮膚への負担を減らしながら優しく面板を剥がす
  2. 洗浄:ガーゼなどに洗浄剤を取り、付着している排泄物が周囲の皮膚に広がらないように、外側から内側に向かって円を描くように優しく拭き取る
  3. 洗い流し・拭き取り:洗浄剤の成分が皮膚に残らないよう、ぬるま湯で十分に洗い流す。洗い流すことが難しい場合は、ぬるま湯で濡らした柔らかい布などで3〜4回優しく拭き取る
  4. 乾燥:皮膚をこすらずに、押さえるようにして水分を拭き取る。水分が残っていると面板の粘着力が弱まるため、皮膚が完全に乾いたことを確認してから新しい面板を貼り付ける

ウロストミーの洗浄手順

尿路感染を予防するため、ストーマに雑菌が入らないように洗浄することが重要です。

  1. 面板を剥がす:コロストミーなどと同様に、粘着剥離剤を使って優しく剥がす
  2. 尿の吸収:装具交換中は常に尿が排泄されるため、ロール状にしたガーゼなどをストーマに当てて、尿を吸い取りながらケアを行う
  3. 洗浄:尿路感染を防ぐため、菌がストーマ周囲にとどまらないように、内側から外側に向かって円を描くように洗浄する
  4. 洗い流し・拭き取りと乾燥:他のストーマと同様に、洗浄剤をしっかり洗い流すか拭き取り、完全に乾かしてから装具を装着する

尿がアルカリ性になると、ストーマ周囲に白くザラついた結晶が付着することがあります。結晶がついた場合は、水とお酢を1:1で混ぜた酢水に浸したガーゼを5分ほど当てて湿布すると効果的です。

※皮膚に異常がある場合や対処に不安がある場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。

全身清拭時におけるストーマケアのポイント

訪問看護や入院中のケアで全身を清拭する際は、基本的にストーマ用装具を装着したまま行います。お湯や洗浄剤が面板と皮膚の隙間から入り込まないように注意し、装具の周囲を優しく拭き取ります。もし面板が濡れてしまった場合は、しっかりと水分を拭き取ることが大切です。

また、ストーマ周囲の皮膚の洗浄後、被膜剤を塗布することも効果的です。排泄物や面板の剥離による刺激から皮膚を保護し、皮膚のバリア機能を保つサポートにもつながります。

※被膜剤の使用については、医療機関の指示に従って行ってください。

ストーマ洗浄・清拭に用いる洗浄剤の選び方

ストーマケアには、専用の洗浄剤を使用するのが基本です。泡タイプ・クリームタイプ・スプレータイプなど、使い方や使用感の異なる製品があるため、ご自身の皮膚の状態や生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。

洗浄剤のタイプごとの特徴

洗浄剤には、使い心地の違うさまざまな「タイプ」があります。

泡タイプポンプを押すだけで泡が出るため、泡立てる手間がない。泡が汚れを包み込み、こすらずに優しく洗浄できる。
クリームタイプ天然オイルなどで汚れを浮かせて、拭き取るだけで洗浄できる。保湿成分が配合されているものも多い。
スプレータイプ泡立てる必要がなく、汚れた部分に直接スプレーして手軽に使える。

健康な皮膚の表面は弱酸性に保たれています。ストーマ周囲の皮膚は刺激を受けやすいため、洗浄剤も皮膚のpHに近い「弱酸性」のものを選ぶのがおすすめです。皮膚のバリア機能への負担が少なく、優しく洗浄できるのが特長です。

状況に応じた洗浄剤の使い分け

洗浄剤は、場所や状況によって使い分けると、より快適にケアを行うことができます。

  • 洗い流すタイプ:シャワーやお風呂でケアを行う場合に適している。洗浄成分をしっかりと洗い流せる。
  • 拭き取るだけでよいタイプ:訪問看護でベッドサイドでケアを行う場合や、外出先、災害時など、水を豊富に使えない状況で便利。
  • 携帯用:旅行や外出時には、1回分が個包装になった製品や、持ち運びしやすいミニサイズの洗浄剤が便利。

シルティ 水のいらないもち泡洗浄

洗い流しが不要な泡タイプの洗浄剤です。液だれしにくい「しっかりもち泡」が特徴で、汚れをきちんと落とします。天然保湿成分が配合されており、洗浄しながら皮膚のうるおいを保ちます。アルコールフリーで皮膚に優しい使い心地です。

リモイスクレンズ ハンディー

天然オイルで汚れを浮かせて、拭き取るだけで使えるクリームタイプの洗浄剤です。1回分ずつの個包装になっており、旅行や外出時の持ち運びに適しています。保湿剤配合で皮膚の乾燥を防ぎながら、さっぱりとした使用感です。

ストーマの洗浄・清拭における注意点と皮膚トラブルへの対処

正しい手順でケアを行っていても、思わぬことで皮膚トラブルが起きてしまうこともあります。洗浄・清拭の際に注意すべき点や、万が一のトラブルへの対処法を知っておくと安心です。

ストーマ用装具交換時の洗浄における注意点

ストーマ周囲の皮膚を洗浄する際は、摩擦によるダメージを避けるため、強くこすらず、よく泡立てた泡で汚れを優しく洗い流すのが基本です。洗浄剤の成分が皮膚に残ると、かゆみやかぶれの原因になりうるため、指で触ってぬるつきがないかを確認しながら、十分に洗い流します。

洗浄後は、皮膚が湿ったままだと面板が剥がれやすくなり、粘着面との間に水分が残ることで皮膚がふやける「浸軟(しんなん)」などの皮膚トラブルにつながることがあります。タオルで押さえるようにして水分を完全に取り除き、しっかりと乾かすことが重要です。

洗浄後のストーマ周囲の観察項目

ストーマ用装具を交換する際は毎回、ストーマとその周囲の皮膚の状態を観察する習慣をつけるのがおすすめです。早期に異常を発見することが、トラブルの重症化を防ぐ鍵となります。

皮膚トラブルのサイン

  • 発赤:皮膚が赤くなっている状態
  • びらん(ただれ):皮膚の表面がただれ、じゅくじゅくしている状態
  • 浸軟(ふやけ):皮膚が白っぽくふやけている状態
  • 潰瘍:皮膚が深くえぐれている状態
  • 丘疹(ぶつぶつ):赤いぶつぶつができている状態

もし皮膚にこれらの異常を見つけた場合は、自己判断で市販薬などを使用せず、速やかに専門の医療機関(ストーマ外来など)に相談してください。

ストーマに関するご相談はヤガミホームヘルスセンターへ

ストーマの洗浄・清拭は、日々の生活に欠かせない大切なケアです。基本的な方法を身につけ、ご自身の皮膚やライフスタイルに合った洗浄剤を選ぶことで、皮膚トラブルを予防し、より快適な毎日を送ることができます。

ストーマケアに関するお悩みや、商品の選び方で迷われた際は、ぜひヤガミホームヘルスセンターへお気軽にご相談ください。専門の知識を持つスタッフが、あなたに合ったケア方法をご提案します。

【本記事に関する注意事項】
※本記事は一般的なストーマケアの情報提供を目的としています。
※個々の状態により適切なケア方法は異なります。医療機関の指導に従ってください。
※皮膚トラブルや体調の変化がある場合は、速やかに医療機関にご相談ください。
※掲載している製品情報は2025年11月時点のものです。

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