ストーマ用装具をより安定して装着するために活用されているのが「ストーマ用ベルト(固定用ベルト)」です。面板の密着性を高め、動作中のずれや剥がれを防ぐことで、漏れを防ぎ、皮膚トラブルのリスク軽減に役立ちます。特に外出時やスポーツ時など、体を動かす機会が多い方にとっては、安心して日常生活を送るための製品といえます。
この記事では、ストーマ用ベルトの役割や種類、主な特徴や効果、正しい付け方、使用時の注意点についてわかりやすく解説します。
ストーマ用ベルト(固定用ベルト)とは?

ストーマ用ベルトは、ストーマケア用品のひとつで、装具の脱落防止や面板(皮膚保護剤)の密着性を高める製品であり、動作時のずれや剥がれを防ぎます。
各メーカー装具のベルトタブに取り付けるフック式・クリップ式、ベルトタブがなくても使える幅広ベルトなど、形状はさまざまです。
ストーマ用ベルトの主な役割と期待できる効果

ストーマ用ベルトを使用することで、日常生活のさまざまな場面で安心感につながります。特に貼付直後や汗をかいたとき、体の動きが多い外出時、スポーツなどの激しい動作時に効果的です。
※ベルトの効果の感じ方には個人差があります。装具の種類や体型、使用状況によって適切な使用方法が異なる場合がありますので、不明点があれば医療従事者にご相談ください。
面板と皮膚の密着性の補助
ストーマ用ベルトの基本的な役割は、面板と皮膚の密着を補助することです。皮膚保護剤は貼付後に体温で馴染むため、貼付直後にベルトで支えることで定着を助けます。
また、ストーマの高さがなく皮膚に埋もれがちな場合、排泄物が装具の下に潜り込みやすくなります。このようなケースでも、ベルトで適度に圧迫して固定することで、排泄物の潜り込みや漏れを防止する効果が期待できます。
体を動かす際の剥がれやずれの予防
外出やスポーツなど、体を大きく動かす場面では、面板と皮膚の間に隙間が生じやすく、装具のずれや剥がれにつながります。ベルトを使うことで装具をしっかり固定できます。
特に幅広タイプのベルトは、面板を上から押さえるので固定力が高く、装具の密着性がより安定するのが特徴です。
「外れたらどうしよう」という不安を軽減し、外出や運動に前向きになれる心理的な安心感につながります。
ストーマ用ベルトの主な種類
ベルトを選ぶときは、ご自身の装具の種類や生活スタイルに合うタイプかどうかを確認しましょう。主なタイプごとの特徴は次のとおりです。
ベルトフックタイプ
装具に「ベルトタブ」が付いている場合に使用するタイプです。タブの形状はメーカーごとに異なるため、基本的には現在使用している装具と同じメーカーのベルトを選ぶと、フィットしやすく安心です。
ミムロオーガニックフック式ワンタッチベルト
両側の面ファスナーで簡単にサイズ調整ができる、使い勝手の良いフック式ベルトです。伸縮性のある素材で安心感が得られるうえ、肌に触れる面にはオーガニックコットンを採用。タオル地の柔らかな肌あたりが特長です。

クリップタイプ
装具のベルトタブをクリップで挟んで固定するタイプです。フックをかけるのが難しい方や、異なるメーカーの装具とベルトを組み合わせて使いたい場合に便利です。
ミムロオーガニッククリックベルト
肌に触れる部分はオーガニックコットンのパイル織りを採用しており、汗をかきやすい方や敏感肌の方にも配慮した、オーガニックコットンのやさしい肌あたりが特長です。耐久性にも配慮した設計となっており、日常使いはもちろん、通勤や外出など動きが多い場面でも頼れる一本です。

幅広固定ベルト(腹帯タイプ)
面板全体やお腹まわりを広い面で支えるタイプです。ストーマの位置や装具のサイズに合った開口部かどうかを確認して選びます。装具の安定感をより高めたい方や、体をよく動かす場面でしっかり固定したい方に適しています。
ストーマアクティブベルト
面板全体を包み込むように支える「幅広タイプ」の固定ベルトで、体の動きに合わせやすい設計が特徴です。面板の圧着部に合わせて開口部サイズを選べるため、装具をしっかり固定でき、スポーツや外出時など体を大きく動かすシーンで安心感を高めたい方におすすめです。

ストーマ用ベルトの基本的な使い方(付け方)

ストーマ用ベルトの使い方は、大きく分けて「装具についているベルトタブを利用するタイプ(フックタイプ・クリップタイプ)」と、「面板全体やお腹まわりを広く支える幅広固定ベルト(腹帯タイプ)」の2つがあります。
ここでは、それぞれのタイプごとに、基本的な装着方法と押さえておきたいポイントを紹介します。
ベルトの装着方法(タイプ別)
ここでは、ストーマ用ベルトの装着手順をタイプ別に解説します。
ベルトタブの位置を確認(フックタイプとクリップタイプの場合)
ご自身の装具にベルトを引っ掛けるための「ベルトタブ」があるかを確認しましょう。タブの位置は装具の種類によって異なります。
| ワンピース装具 | パウチ(袋)と面板の間にあることが多い |
| ツーピース装具 | 面板側についている場合と、パウチ側についている場合がある |
ベルトタブの形状はメーカーごとに異なるため、基本的には装具と同じメーカーのベルトを使用することをおすすめします。
フックタイプの装着手順
- フックをかける:ベルトの先端にあるフック(凸部分)を、装具のベルトタブに引っ掛けます。

- 向きに注意する:フックの先端が皮膚に当たると痛みや傷の原因になります。先端が皮膚に当たらない向き(外向きなど)になっているか確認して装着しましょう。

- 密着しているかを確認する:フックをかける操作は細かいため、無意識に装具を強く引っ張ってしまい、面板が浮いてしまうことがあります。装着後は必ず装具を上から手で押さえ、面板と皮膚の間に隙間ができていないか、しっかり密着しているかを確認してください。
クリップタイプの装着手順
- クリップを開く:ベルト先端についているクリップを指でつまみ、タブを挟めるように開きます。
無理に広げず、開閉の可動部を意識して動かします。
- タブを挟む:装具のベルトタブをクリップの溝に収め、タブ全体がしっかり挟まる位置でクリップを閉じます。このとき、タブの根元だけを強く引っ張らないようにし、装具がねじれないように注意します。

- 向きと圧迫を確認する:クリップの角や金具が直接皮膚に当たっていないか、ストーマ周囲を圧迫していないかを確認します。両側のベルトの長さが極端に違うと引っ張られる方向が偏るため、左右のバランスもあわせてチェックしましょう。
- 密着しているかを確認する:装着後は必ず装具を上から手で押さえ、面板と皮膚の間に隙間ができていないか確認してください。
幅広固定ベルト(腹帯タイプ)の装着手順
- 開口部のサイズを確認する:ベルト中央にある開口部のサイズを確認し、使用中の面板とパウチの勘合部のサイズと合うものを選びます。
- 装具を通す:装具をベルトの開口部にゆっくり通します。ストーマやパウチを強く押さえつけないよう、前側からそっと通すのがポイントです。

- 位置を調整する:ベルトの開口部が面板の中心にくるように上下左右の位置を整え、面板全体を均等に支えられるようにします。

- お腹まわりに固定する:ベルトを身体の後ろ側で回し、マジックテープなどでお腹まわりに固定します。きつく締めすぎるとストーマ周囲が圧迫されるため、指が1~2本入る程度の締め加減を目安にしましょう。
※装着後は、ストーマのまわりが強く押されていないか、面板が浮かずにしっかり密着しているかを、上から手で軽く押さえて確認してください。
ストーマ用ベルト使用時に注意したいポイント

ベルトは安心感をもたらす便利な道具ですが、使い方を誤ると皮膚トラブルや不快感の原因になることもあります。安全かつ快適に使用するために、以下の3つのポイントに注意が必要です。
ベルトをきつく締めすぎない
「漏れるのが怖い」という不安から、ついベルトを強く締めすぎてしまうことがあります。しかし、過度な圧迫は皮膚を傷つけたり、血行不良による体調悪化を招いたりする恐れがあります。
適切な強さの目安は、装着した状態で「ベルトと皮膚の間に指が縦に1~2本入る程度」です。これなら違和感なく固定でき、皮膚への負担も抑えられます。
夏場や運動時の汗による皮膚トラブル
ベルトは常に皮膚に密着しているため、特に夏場や運動時は汗がたまりやすくなります。汗を放置すると、その部分がかぶれたり、痒くなったりする原因になります。
汗対策の例
- 汗をかいたらこまめにベルトの下を拭く
- 暑い時期は長時間の連続使用を避ける
- ベルトの下に、タオルのような吸収性の高い布や腹帯を挟む
もし皮膚に赤みやかゆみなどの異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師や看護師に相談してください。
就寝時の使用とお手入れ・洗濯方法
ストーマ用ベルトは、日中の活動時に使用し、就寝時は外すことが一般的です。ただし、夜間の漏れが不安な場合は就寝中に使用する方もいるため、生活スタイルに合わせて調整してください。
長時間の連続使用は、圧迫や摩擦によって皮膚トラブルにつながることがあります。特別な事情がない限り、就寝時は外すなどして肌を休めることが大切です。
汗や皮脂で汚れやすいため、中性洗剤を使用した手洗いで定期的にお手入れし、清潔な状態を保つことが重要です。洗濯後は十分に乾燥させてから使用してください。
ストーマに関するご相談はヤガミホームヘルスセンターへ
ストーマ用ベルトは、面板の密着を助け、活動的な毎日を支えるための心強いストーマケア用品です。正しく使用することで、漏れや剥がれの不安が少し和らぎ、より安心して過ごせるかもしれません。
ヤガミホームヘルスセンターでは、各種メーカーのストーマ用ベルトを取り扱っています。生活スタイルに合ったベルト選びについても、お気軽にご相談ください。
【ご注意】
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や医学的助言を行うものではありません。
※ストーマケアに関する個別の判断は、必ず医療従事者にご相談ください。
※商品の詳細や使用方法については、各製品の添付文書をご確認ください。
※掲載商品の効果には個人差があります。
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