「人工肛門」「ストーマ」といった言葉は、初めて目にしたときに意味の違いがわからず戸惑う方も少なくありません。
この記事では、これらの言葉の意味と関係性を整理するとともに、オストメイトの意味や、コロストミー・イレオストミー・ウロストミーといった種類の名称、面板・パウチ・アクセサリー、オストメイト対応トイレなどの関連する用語もあわせて解説します。
「ストーマ」とはどういう意味か

ストーマ(stoma)はギリシャ語で「口」を意味し、ストーマケアの分野では、手術によってお腹に造設された便や尿の排泄口を指す言葉です。機械や器具ではなく、本人の腸管や尿管をお腹の外へ出して形成されます。
ストーマの表面は粘膜でできており、赤く湿った状態に見えるのが特徴です。ストーマそのものには痛みを感じる神経がありませんが、周囲の皮膚には感覚があるため、装具交換時は傷つけないよう丁寧に扱います。
医療機関や資料によっては「ストマ」と表記されることもあります。意味に違いはなく、この記事では「ストーマ」に統一します。
「人工肛門」と「ストーマ」の違い

人工肛門は、便を排泄するために造設されたストーマで、「消化器系ストーマ」に分類されます。一方、尿を排泄するために造設されたストーマは「人工膀胱」と呼ばれ、「尿路系ストーマ」に分類されます。
人工肛門はストーマ全体を指すのではなく、ストーマという大きな分類に含まれる種類の一つです。日常会話では「人工肛門」がストーマの代名詞のように使われることがあり、両者が同じ意味だと受け取られる場合があります。
ストーマに関する用語の関係

ストーマの種類と主な呼び名

ストーマは、排泄するものや造設する部位によって、コロストミー、イレオストミー、ウロストミーに分けられます。医療者との会話では「コロ」「イレオ」「ウロ」と略して呼ばれることもあります。
結腸ストーマ(コロストミー)
結腸ストーマ(コロストミー)は、大腸の一部である結腸をお腹の外へ出して造設される消化器系ストーマです。「colon(結腸)」に由来する名称で、結腸人工肛門とも呼ばれます。
排泄される便の状態は、ストーマを造設した結腸の位置によって異なります。下行結腸やS状結腸に造設された場合は、比較的形のある便になる傾向がありますが、便の硬さや回数には食事、体調、服薬などによる個人差があります。一般的には、ストーマ用装具を装着し、排泄された便をパウチで受けて管理します。
回腸ストーマ(イレオストミー)
回腸ストーマ(イレオストミー)は、小腸の一部である回腸をお腹の外へ出して造設される消化器系ストーマです。「ileum(回腸)」に由来する名称で、回腸人工肛門とも呼ばれます。造設される位置は、一般的にお腹の右下側です。
大腸を通らずに排泄されるため、便は水様から泥状になる傾向があります。排泄物には消化酵素が含まれており、皮膚に触れると刺激になる場合があるため、ストーマ周囲の皮膚を保護しながら、排泄物をパウチで受けて管理します。
尿路系ストーマ(ウロストミー)
尿路系ストーマ(ウロストミー)は、尿を体外へ排泄するために造設されるストーマの総称です。「uro(尿路)」に由来する名称で、一般には人工膀胱と呼ばれます。代表的な造設方法は、回腸導管や尿管皮膚瘻(にょうかんひふろう)などです。
尿路系ストーマでは、通常の排尿のように膀胱に尿をため、括約筋(尿の出口を締めて排尿を調整する筋肉)で排出を調整することができません。腎臓では常に尿がつくられているため、尿はストーマから継続的に流れ出ます。ストーマ用装具で受け止め、たまった尿を排出口から定期的に出して管理します。
永久ストーマと一時ストーマ
永久ストーマは、継続して保有することを前提に造設されるストーマです。一時ストーマは、手術した腸管を保護する場合などに造設され、本人の状態が整ったあとに閉鎖手術を行うことがあります。
ただし、「一時」と説明された場合でも、閉鎖できる時期や可否は、病気の状態や手術方法、術後の経過によって異なります。自分のストーマがどちらに当たるのか、今後の見通しも含めて主治医へご確認ください。
「オストメイト」とはどういう意味か

オストメイト(Ostomate)とは、ストーマを造設した人を指す言葉で、人工肛門と人工膀胱のどちらのストーマ保有者も含まれます。オストメイトとなった方は、便や尿をパウチで受け止め、たまった排泄物を定期的に処理しながら生活します。
内閣府の「平成24年版障害者白書」によると、国内のオストメイトは約20万~30万人とされています。ただし、2012年に公表された資料であり、現在の人数を示す最新の統計ではないため、参考情報としてご覧ください。
オストメイトマークは、オストメイトのための設備があることを示すマークです。オストメイト対応トイレの入口や施設内の案内表示などに掲示され、パウチにたまった排泄物の処理や装具交換に対応した設備を探すときの目印になります。

参考:内閣府「平成24年版障害者白書」
参考:内閣府「障害者に関係するマークの一例」
ストーマ用装具の主な用語(面板・パウチ・アクセサリー)

ストーマ用装具は、主に面板とパウチで構成されます。面板とパウチが一体になったものが単品系、分かれているものが二品系です。「ストーマ装具」と表記される場合もありますが、この記事では「ストーマ用装具」に統一します。これらに加え、必要に応じて使うアクセサリーもあります。
ストーマ用装具に関する主な用語
面板(めんいた)
ストーマ周囲の皮膚へ貼り、装具を固定する部分。皮膚保護剤が使われている。
パウチ
ストーマから排泄される便や尿を受け止める袋。消化器用と尿路用がある。
アクセサリー
装具の密着や皮膚の保護、交換時の負担などに配慮するための用品。皮膚保護剤(用手成形、ペースト、パウダーなど)、粘着剥離剤、皮膚被膜剤、固定用ベルト、消臭剤などが含まれる。
ストーマ用装具やアクセサリーは、ストーマの種類や形状、排泄物の状態、周囲の皮膚によって適するものが異なります。選定や変更については、医師や皮膚・排泄ケア認定看護師などへ相談してください。
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ストーマは便や尿の排泄口の総称で、人工肛門は便を排泄する消化器系ストーマを指します。結腸ストーマ(コロストミー)、回腸ストーマ(イレオストミー)、尿路系ストーマ(ウロストミー)などの用語を整理すると、医療者からの説明やストーマ用品の案内を理解しやすくなります。
ヤガミホームヘルスセンターでは、ストーマ用装具やアクセサリーを幅広く取り扱っています。商品の仕様や使い方について確認したい場合は、お気軽にお問い合わせください。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的アドバイスではありません。
※ストーマの種類や状態、排泄物の状態、周囲の皮膚には個人差があります。ストーマ用装具の選定・変更、皮膚トラブル、ケア方法については、医師や皮膚・排泄ケア認定看護師などの医療従事者へご相談ください。
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