「この保管方法で大丈夫かな?」「まとめ買いしすぎていないかな?」と、ストーマ用装具の管理に迷うことはありませんか?
装具の面板は温度・湿度・圧力といった外部の影響を受けやすく、保管方法を誤ると装具の品質が低下し、漏れや皮膚トラブルにつながることがあります。
この記事では、正しい保管方法から在庫管理・災害時の備えまで、装具管理に関するポイントをまとめて解説します。
ストーマ用装具の管理とは?

ストーマを造設した後の生活では、装具を適切に管理することが日常ケアの基本になります。一口に「管理」といっても、その内容はいくつかの領域に分かれています。
- 保管
装具を劣化させず品質を維持するための置き方・環境の管理 - 在庫
過不足なく必要な量を手元に確保するための購入量・タイミングの管理 - ケア用品の準備
装具交換を支える洗浄剤や皮膚保護用品などの準備 - 災害備蓄
いざというときに装具が手元にない事態を避けるための備え
本記事では、保管や在庫管理、また、ケア用品の準備や災害時の備えまで幅広く解説します。
ストーマ用装具の保管について

装具は毎日使う大切なものです。安心して使用するためには、保管場所や保管方法を適切に整え、品質を維持することが重要です。
なぜ正しい保管が重要なのか
ストーマ用装具、特に面板(腹部の皮膚に貼る部分)は、私たちが思っている以上にデリケートな製品です。主成分である皮膚保護剤は、温度や湿度、光、そして圧力といった外部からの影響を受けやすく、保管方法が悪いと品質が劣化してしまいます。
装具が劣化すると、粘着力が弱くなったり、面板が変形したりします。そうなると、皮膚にしっかりと密着しなくなり、すき間から漏れが生じたり、皮膚トラブルの原因になったりする可能性があります。
装具の品質を保つためにも、正しい方法での保管を心がけてください。
保管時に注意すべき7つのポイント
装具の品質を維持するために、保管場所や保管方法について以下7つのポイントに注意する必要があります。
- 高温多湿な場所での保管
面板は熱や湿気に弱いため、常温を超える場所や、浴室の脱衣所のように湿気がこもりやすい場所での保管は避ける必要があります。特に夏場の車内は短時間で高温になるため、装具を置いたままにしないよう注意が必要です。 - 温度の低い場所での保管
高温だけでなく、冷蔵庫のような温度の低い環境での保管も面板の皮膚保護剤を硬化させ、装具を劣化させる原因となります。「涼しい場所が良い」と考えて冷蔵庫に保管するのではなく、常温で保管してください。 - 直射日光が当たる場所での保管
紫外線は装具の素材を劣化させる原因の一つです。窓際など直射日光が当たる場所は避け、カーテンで遮光された室内や戸棚の中など、光が当たらない場所で保管してください。 - 圧力がかかる場所での保管
装具の箱の上に重いものを置いたり、箱を縦に立てて保管したりすると、重力によって面板がよれたり変形したりする原因となります。変形した装具は正しく貼り付けられず、漏れにつながるため、箱を横向きにし、上に重いものは置かず、平らな場所に保管してください。 - 大量購入による長期保管
「変更の予定がないから」と一度に大量に購入すると、気づかないうちに使用期限が過ぎてしまうことがあります。また、体重の変化などで装具が合わなくなった場合、大量に購入していると返品・交換が難しくなることもあるため、計画的に購入することをおすすめします。 - 箱から出した状態での保管
装具を箱から出して保管すると、ほこりが付着したり、何かの下敷きになって変形したりする恐れがあります。製品の箱は、装具を外部の衝撃から守る大切な役割を持っています。また、箱には使用期限や製品を識別するためのロットナンバーが記載されており、万が一製品に不具合が生じた場合の重要な情報源になるため、箱は捨てずに、そのまま保管しておくことが大切です。 - 剥離紙を剥がした状態での保管
面板の粘着面を保護している剥離紙は、使用する直前まで剥がさないでください。早めに剥がしてしまうと、粘着面にほこりが付着したり、乾燥したりして、貼り付きにくくなることがあります。
購入後すぐに確認をするポイント
注文した装具がご自宅に届いたら、すぐに棚の奥にしまうのではなく、まず以下の点を確認してから保管することが望ましいです。届いた時点で確認しておくことで、使う直前に「足りない」「違う商品だった」と気づくトラブルを防ぎやすくなります。
【チェックリスト】
- 注文した商品と個数が合っているか
- 箱に記載されている使用期限まで十分な余裕があるか
- 箱の破損がないか
もし何か問題があれば、すぐに購入先に連絡してください。保管する際は、使用期限の早いものを手前に置くことで、期限切れを防ぎやすくなります。
ストーマ用装具の在庫管理・計画的な購入

ストーマ用装具は、必要なときに不足しないよう、在庫を確認しながら計画的に購入することが求められます。一方で、必要以上に在庫を抱え込みすぎると、気づかないうちに使用期限が過ぎてしまうこともあります。
手元に置く量の目安と注文のタイミング
手元に置く装具の量は、1か月分を目安にするとよいとされています。在庫がなくなる数週間前の段階で注文することで、手元の在庫を切らさずに必要以上に在庫を持ちすぎない管理ができます。
給付券の利用などでまとめて購入する場合は、保管環境に注意し、使用期限を定期的に確認することが大切です。また、体重・体型の変化やストーマ周囲の皮膚の状態によって、これまで使っていた装具が突然合わなくなることもあります。余った装具は返品・交換が難しい場合があるため、「今の自分の状態に合っているか」を定期的に見直しながら、適切な量を計画的に購入することが重要です。
家族・介護者との情報共有
装具の管理を本人だけが把握している状態では、体調不良のときや外出中にトラブルが起きた際、対応が難しくなることがあります。家族や介護者と以下の情報をあらかじめ共有しておくと、緊急時にもスムーズに対応できます。
- 使用している装具の商品名・型番・サイズ
- いつもの購入先(店舗名・連絡先)
- 在庫の保管場所と現在の在庫数
「何をどこに頼めばいいか分からない」という状況を防ぐためにも、情報共有は日頃から意識しておきたいポイントです。詳しくは以下の記事も参考にしてください。

ストーマのケアをサポートするケア用品の準備

ストーマ用装具の管理では、装具本体だけでなく、日常のケアに使用する用品もあわせて確認しておくことが大切です。装具交換のときに必要なものが足りないと、ケアに時間がかかったり、皮膚への負担が増えたりすることがあります。
ケア用品には、洗浄剤、皮膚保護用品、粘着剥離剤、消臭剤などさまざまな種類があります。用途を知り、自分に必要なものを準備しておくと安心です。
ケア用品の種類と役割
ストーマケアには装具本体だけでなく、交換時のサポートに使うさまざまなケア用品があります。代表的なものとして、以下のような種類があります。
- 粘着剥離剤(リムーバー):装具を剥がす際の皮膚への刺激をやわらげる
- 皮膚洗浄剤:装具交換のたびにストーマ周囲の皮膚を清潔に保つ
- 皮膚被膜剤(スキンバリア):皮膚表面に膜を形成し、排泄物や粘着剤から皮膚を守る
- 皮膚保護ペースト・パウダー:面板と皮膚のすき間を埋め、漏れを防ぐ
- 消臭剤:パウチ内のにおいを抑える
それぞれの役割や選び方については、以下の記事をご覧ください。

ケア用品も適切な保管が必要
ケア用品も、装具と同じように保管方法を確認しておくことが大切です。高温多湿の場所や直射日光が当たる場所に置くと、品質が変化したり、使いにくくなったりする可能性があります。
洗浄剤や皮膚保護用品、消臭剤などは、製品ごとに保管方法が異なる場合があります。購入後は、外箱や説明書に記載された保管条件を確認し、使用期限もあわせて把握しておく必要があります。
装具とケア用品を同じ場所にまとめておくと、交換時に必要なものを探しやすくなります。外出用や災害用に分けて準備する場合も、定期的に中身と期限を確認する習慣をつけておくと安心です。
災害時の装具管理と備えの考え方

災害時は、交通や物流が止まり、普段使っているストーマ用装具がすぐに手に入らない可能性があります。だからこそ、日頃から予備の装具を準備しておくことも、装具管理の大切なポイントです。
災害時に装具が手元にないリスクに備える
災害時に避難が必要になった場合、自宅に装具があっても、すぐに取りに戻れないことがあります。物流が滞り、普段使っている装具がすぐに手に入らなくなる可能性もあるため、日頃から非常用の装具を準備しておくことが大切です。
非常持ち出し用として、数週間分の装具やケア用品、ゴミ袋、手指の清潔を保つ用品などをまとめておくと安心です。避難先での交換に備え、面板をあらかじめ使用サイズに合わせてカットしておくと、落ち着いて対応しやすくなります。
あわせて、使用している装具の商品名やサイズ、メーカー名、購入先なども記録しておくと、避難先で補充が必要になったときや支援を求めるときに役立ちます。
また、装具を一カ所にまとめて保管していると、自宅が被災した際にすべて取り出せなくなるおそれがあります。自宅内で保管する部屋を分ける、職場や親族宅にも一部預けておくなど、保管場所を分散させておくと、いざというときに装具を確保しやすくなります。
備蓄用の装具も保管環境に注意
災害用に備蓄する装具も、普段使う装具と同じように保管環境に注意が必要です。せっかく準備していても、高温多湿や直射日光、圧力がかかる場所に置いていると、品質が低下する可能性があります。
非常持出袋に入れる場合も、装具を押しつぶさないように収納することが大切です。箱から出す場合は、使用期限や商品情報がわかるように、外箱の一部やメモを一緒に入れておくと確認しやすくなります。
備蓄品は、そのまま保管し続けるのではなく、定期的な点検や見直しを行うことが重要です。1年に1回程度は中身を確認し、使用期限が近いものは日常用に回して、新しいものと入れ替えると安心です。
災害への備えについては、以下の記事でより詳しく説明しています。

ストーマ用品に関するご相談はヤガミホームヘルスセンターへ
ストーマ用装具を安心して使い続けるためには、保管場所や在庫量、ケア用品、災害時の備えを日頃から整えておくことが大切です。
装具は高温多湿や直射日光、圧力を避け、箱のまま平らな場所で保管することが基本です。購入後は商品や個数、使用期限、箱の状態を確認し、古いものから順に使うことで期限切れを防ぎやすくなります。
また、手元には1か月分を目安に装具を確保し、給付券の利用などで複数か月分をまとめて購入する場合は、使用期限や保管場所を事前に確認し、計画的に管理することをおすすめします。家族や介護者と管理方法を共有しておくと、体調不良時や災害時にも落ち着いて対応しやすくなります。
ストーマ用品に関するお悩みや疑問がございましたら、ヤガミホームヘルスセンターまでお気軽にご相談ください。
※この記事はストーマケアに関する一般的な情報提供を目的としており、医療行為や治療の指示を行うものではありません。
※ストーマの状態やケア方法は、個人の体調や医療状況によって異なります。具体的なケアについては、必ず医療従事者の指導に従ってください。
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