ストーマ用装具を安定して使い続けるためには、装具そのものだけでなく、目的に合ったストーマアクセサリーを使用することが大切です。皮膚を守るもの、装具交換をスムーズにするもの、においや排泄物の性状を管理するものなど、ストーマアクセサリーには多くの種類があります。
この記事では、ストーマケアを補助する用品全般を「ストーマアクセサリー」として紹介し、それぞれの種類と使い方を目的別に解説します。
ストーマアクセサリーとは?種類の概要

ストーマアクセサリーとは、ストーマケアをサポートするための用品です。漏れを防ぐもの、皮膚を守るもの、装具交換をサポートするもの、においや排泄物の処理を助けるもの、装具を固定するものなど、さまざまな種類があります。
なかでも、皮膚保護剤やパウダー、皮膚被膜剤など、皮膚に影響する用品は、皮膚の状態に合うものを使用します。自己判断で選ばず、医師や看護師など医療従事者の指示に従って使用してください。一方で、消臭剤やパウチカバー、ベルトなどは、使用中の装具や生活スタイルに合わせて取り入れやすいアクセサリーです。
【目的別】ストーマアクセサリーの種類一覧と特徴

ストーマケアにおける悩みや目的は一人ひとり異なるため、ストーマアクセサリーには目的別にさまざまな種類があります。主なアクセサリーは、次のように分類できます。
- 面板の密着を補助するアクセサリー:皮膚保護剤
- 皮膚を守るアクセサリー:パウダー、皮膚被膜剤
- 装具交換をサポートするアクセサリー:粘着剥離剤(リムーバー)
- 皮膚の清潔を保つアクセサリー:洗浄剤、ガーゼ
- 排泄をサポートするアクセサリー:消臭剤、潤滑剤、凝固剤
- 装具を固定するアクセサリー:ストーマ用ベルト、テープ
- 日常生活を快適にするアクセサリー:パウチカバー、オストメイト用下着、腹帯
- 尿を溜めるアクセサリー:レッグバッグ、ウロバッグ
以下では、それぞれの目的に合わせて、主なストーマアクセサリーの特徴と使い方を解説します。
面板の密着を補助するアクセサリー|皮膚保護剤の種類と特徴
皮膚保護剤は、ストーマ周囲のしわやくぼみを補正し、面板との隙間を埋めることで密着性を高め、面板の剥がれや排泄物の侵入を防ぐ効果が期待できるアクセサリーです。
皮膚保護剤には、主に練状(ペースト)、板状(ウエハー)、用手成形タイプがあります。
- 練状
やわらかく、細かな凹凸やすき間になじませやすい - 板状
一定の厚みがあり、必要な大きさに切って貼ることで、面板の密着を補助する - 用手成形タイプ
手でちぎったり伸ばしたりしながら、ストーマ周囲の形に合わせて成形しやすい
どのタイプが適しているかは、ストーマの形や高さ、腹部のしわ・くぼみ、漏れが起きやすい位置などによって異なります。タイプごとの特徴を理解しておくことは大切ですが、自己判断だけで選ぶのは避け、医師や看護師、WOCナース(皮膚・排泄ケア認定看護師)など医療従事者の指導を受けたうえで使用してください。
なお、皮膚保護剤には粉状(パウダー)タイプもありますが、次のセクションで別途ご紹介します。
皮膚を守るアクセサリー|パウダーと皮膚被膜剤の種類と特徴
ストーマ周囲の皮膚を守るアクセサリーには、パウダーや皮膚被膜剤があります。どちらも皮膚に関わるものですが、使われ方や目的は異なります。
パウダー
パウダーは、粉状の皮膚保護剤です。ストーマ周囲の皮膚に水分や滲出液がある場合などに使用され、水分を吸収して面板の装着を助ける目的で使われます。
一方で、パウダーが多く残っていると、面板の密着を妨げる可能性があります。どのような状態で使用するか、どの程度使うか、使用後にどのように整えるかは、皮膚の状態に応じた判断が必要です。
皮膚被膜剤
皮膚被膜剤は、ストーマ周囲の皮膚表面に薄い透明な膜(バリア)を作ることで、排泄物や面板の粘着剤などの刺激物が直接皮膚へ接触することを軽減するよう設計された製品です。
主にスプレータイプとワイプタイプ(液体を含んだ不織布)があります。
- スプレータイプ
霧状に噴霧して広範囲に塗布しやすく、ストーマ周囲の皮膚全体を手早く保護したいときに使いやすい - ワイプタイプ
液体を含んだ不織布で皮膚に直接塗布できるため、気になる部分や狙った場所に塗りやすい
使用時は、装具を貼る前に皮膚へ塗布し、しっかり乾かしてから面板を貼付します。被膜剤が十分に乾いていない状態で装具を貼ると、面板の密着に影響することがあります。皮膚に赤み、ただれ、傷などがある場合は、自己判断で使用せず医療従事者に相談してください。
装具交換をサポートするアクセサリー|粘着剥離剤(リムーバー)の種類と使い方
粘着剥離剤(リムーバー)は、皮膚と粘着剤の間に浸透し、粘着力を弱めることで、皮膚への物理的な刺激(角質剥離)を軽減しながら、やさしくストーマ用装具を剥がしやすくするための製品です。無理に剥がすと皮膚を傷つける原因となるため、装具交換時の使用が推奨されています。
粘着剥離剤には、スプレータイプ、ワイプタイプ、液体(滴下)タイプなどがあり、使いやすさや好みに合わせて選べます。
- スプレータイプ
広い範囲に吹きかけやすく、介助者が装具交換を行う場合にも扱いやすい - ワイプタイプ
剥離液を含んだシートで、外出時にも必要な枚数だけ持ち運びやすい - 液体(滴下)タイプ
面板の端から少しずつ垂らしながら使用できる
使用後は剥離剤の成分が皮膚に残らないよう、しっかりと洗浄または拭き取りを行う必要があります。成分が残っていると、新しい装具の粘着力が弱まる原因になります。
皮膚の清潔を保つアクセサリー|洗浄剤・ガーゼの種類と使い方
装具交換時には、ストーマ周囲の皮膚を清潔に保つことが大切です。洗浄剤やガーゼは、皮膚の汚れを落とす、装具交換中のケアをしやすくするといった目的で使われる基本的なアクセサリーです。
洗浄剤
ストーマケアに向いているのは、水を使わずに拭き取るだけで洗浄できるものです。泡タイプやクリームタイプなどが代表的です。
- 泡タイプ
泡で皮膚を包み込むように洗浄できるため、こすりすぎによる刺激を抑えながら汚れを落としやすい - クリームタイプ
皮膚になじませながら汚れを浮かせて拭き取るタイプで、垂れにくく、狙った部分に塗布しやすい
これらの製品は、お湯やシャワーが使えない場所での装具交換や、外出先でのケアにも便利です。
洗浄後は、皮膚の水分を十分に拭き取り、しっかりと乾かしてから次の装具を貼ることが、剥がれや皮膚トラブルを防ぐうえで重要です。
ガーゼ
ガーゼは、ストーマ周囲の皮膚を清拭する際や、装具交換中に一時的に排泄物を受けとめる際など、さまざまな場面で活用できます。
皮膚への負担を考え、肌触りがよく、吸水性に優れた医療用のガーゼを選ぶことが重要です。用途に合わせて使い分けられるよう、さまざまなサイズや折り方の種類があります。
排泄をサポートするアクセサリー|消臭剤・潤滑剤・凝固剤の種類と使い方
パウチ内のにおいが気になる場合や、排泄物を処理しにくい場合には、消臭剤や潤滑剤が役立ちます。外出先や職場、人と会う予定がある日など、においへの不安を軽減したい場面で活用しやすいアクセサリーです。
消臭剤
消臭剤は、パウチ内に入れて排泄物のにおいを軽減するために使うアクセサリーです。液体タイプや粉末タイプなどの形状があり、容器もボトルタイプや1回分ずつ使える分包タイプなどに分かれます。
消臭剤は、排泄物のにおいを化学的に中和したり、香りでマスキングしたりすることで、においを軽減します。製品によって香りの有無や使用量が異なるため、使用前に添付文書や商品説明を確認してください。
潤滑剤
潤滑剤は、パウチ内をすべりやすくし、排泄物を排出しやすくするためのアクセサリーです。消臭機能を備えた消臭潤滑剤もあり、パウチの中に入れて使用することで、消臭と排泄物を出しやすくする効果が期待できます。
外出時に持ち運びやすい個包装タイプや、自宅で使いやすいボトルタイプなどがあるため、使用シーンに合わせて選ぶことが大切です。
凝固剤
凝固剤は、パウチ内の水分を吸収し、水様性の排泄物をゲル状に固めるためのアクセサリーです。主にイレオストミーの方など、排泄物が水様性になりやすい場合に使われます。
排泄物が固まることで、以下のような効果が期待できます。
- パウチ内での音(チャポチャポ音)が軽減しやすくなる
- 面板の裏側への排泄物の潜り込みを抑え、漏れのリスクを低減しやすくなる
- 排泄処理がしやすくなる
顆粒タイプや、1回分が小袋に入っているタイプなどがあり、交換時にあらかじめパウチに入れておくだけで効果を発揮するため、手軽に使用できます。
装具を固定するアクセサリー|ストーマ用ベルト・テープの種類と使い方
装具の浮きや剥がれが気になる場合には、ストーマ用ベルトやテープを活用する方法があります。入浴時、外出時、運動時、長時間交換できない場面など、装具の安定感を高めたいときに役立つアクセサリーです。
ベルト
ベルトには、装具のベルトタブに取り付けて使うフック式やクリップ式のタイプがあります。これらは対応する装具に取り付け、面板の密着を補助するために使われます。
また、面板全体やお腹まわりを広い面で支える幅広タイプは、ベルトタブがない装具でも使用できます。体を動かすときに装具のずれや浮きが気になる場合に向いています。
ベルトを選ぶ際は、使用中の装具に対応しているか、装着したい位置や腹部の状態に合っているかを確認してください。
テープ|面板の浮きや剥がれを補強する
テープは、面板の端(外周部)を上から固定・補強し、浮き上がりや剥がれを防ぐためのアクセサリーです。入浴時や運動時、体を動かすときなど、面板の端がめくれやすい場面で役立ちます。
皮膚にやさしい素材、防水性のある素材、伸縮性に優れた素材など、さまざまな材質のテープがあります。たとえば、入浴時には防水性、体の動きに合わせたい場合は伸縮性、皮膚への刺激が気になる場合は低刺激性を重視すると選びやすくなります。
日常生活を快適にするアクセサリー|パウチカバー・オストメイト用下着・腹帯の種類と使い方
パウチカバー、オストメイト用下着、腹帯は、装具が肌に触れる不快感や衣服とのこすれ、見た目の不安を軽減したいときに役立つアクセサリーです。生活スタイルや肌質に合わせて取り入れることで、日常生活の快適さを高めやすくなります。
パウチカバー
パウチカバーは、パウチ部分を覆うためのカバーです。パウチと肌が直接触れる不快感を軽減したり、衣服とこすれる音を抑えたり、見た目を自然に整えたりする目的で使われます。素材によっては、汗を吸収しやすいものや、消臭機能を備えたものもあります。
肌触りを重視したい場合は綿素材、においが気になる場合は消臭機能付き、外出時の見た目が気になる場合は衣服に響きにくいデザインなど、使用シーンに合わせて選ぶことが大切です。
オストメイト用下着
オストメイト用下着は、パウチを支えたり、装具を直接肌に触れにくくしたりするための下着です。通常の下着ではパウチの位置やふくらみが気になる場合でも、オストメイト向けに設計された下着を使うことで、着用時の違和感を軽減しやすくなります。
商品によって、パウチを収納するポケット付きのもの、腹部をやさしく支えるもの、肌触りや通気性を重視したものなどがあります。服装や外出の頻度、肌への刺激の感じ方に合わせて選ぶと、日常生活をより快適に過ごしやすくなります。
腹帯
腹帯は、腹部を包み込むようにして装具やパウチを支えるアクセサリーです。パウチが衣服の中で動くのを抑えたい場合や、装具が肌に直接触れる不快感を軽減したい場合に役立ちます。
腹帯には、素材や幅、伸縮性に違いのある商品があります。肌が敏感な方は、やわらかく通気性のよい素材を選ぶと快適に使いやすくなります。
尿を溜めるアクセサリー|レッグバッグ・ウロバッグの種類と使い方
ウロストミーの方は、就寝時や長時間の外出時など、こまめにパウチ内の排泄物の処理ができない場面もあります。そのようなときに蓄尿量を補うアクセサリーが、レッグバッグやウロバッグです。パウチの尿排出口には、接続チューブを使って採尿バッグやレッグバッグを接続できるタイプがあります。
レッグバッグ
レッグバッグは、脚に装着して使用する採尿バッグです。外出時や移動時など、長時間パウチ内の尿を排出できない場合に、蓄尿量を増やす目的で使います。衣服の下に装着ができ、移動中や外出先でも使いやすい点が特徴です。
レッグバッグは、装具と接続して使うため、使用中の装具との組み合わせを確認する必要があります。接続チューブやコネクターの仕様はメーカーや製品によって異なるため、購入前に販売店や医療従事者へ確認すると安心です。
ウロバッグ
ウロバッグは、主に就寝時にベッドサイドなどで使用する大容量の採尿バッグです。夜間に何度も起きてパウチ内の尿を捨てる負担を軽減し、睡眠中の安心感を高める目的で使われます。
ウロバッグも装具と接続して使うため、使用中の装具に対応しているかを購入前に確認してください。
ストーマアクセサリーに関するご相談はヤガミホームヘルスセンターへ
ストーマアクセサリーは、日々のケアをより快適で安心なものにするための心強い味方です。しかし、種類が非常に多いため、「自分にはどれが合うのだろう?」と迷われる方も多いかもしれません。
ヤガミホームヘルスセンターでは、専門の相談員がお客様一人ひとりのお悩みや状況を丁寧にお伺いし、適切な商品選びをお手伝いいたします。ストーマに関するお悩みやケア用品の選び方など、どうぞお気軽にご相談ください。
※本記事は一般的なストーマアクセサリーの情報提供を目的としています。
※ストーマ用装具やアクセサリー(特に皮膚保護剤)の選定・使用方法については、医師や看護師などの医療従事者の指示に従ってください。
※個々の製品の使用方法や注意事項については、各製品の添付文書をご確認ください。
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