ストーマ造設後、「仕事に復帰できるだろうか」「通勤や職場でトラブルが起きたらどうしよう」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。事前にしっかりと準備し、自分に合った対策を講じることで、安心して仕事を続けることが可能です。
本記事では、ストーマ保有者の方が職場復帰に向けて準備しておきたいことや、通勤・仕事中に役立つ工夫、職場での円滑なコミュニケーションのポイントについて、わかりやすく解説します。自分らしく働き続けるためのヒントとして、ぜひご活用ください。
ストーマ造設後の仕事復帰で大切なのは「事前準備」と「対策」

ストーマ造設後も、仕事への復帰は十分に可能です。体力が回復し、日常的なケアが自分でできるようになれば、これまでと同じように働くことができます。
とはいえ、復帰後すぐに万全な状態で働けるとは限りません。通勤中にトイレへ行けるタイミングが限られていたり、職場にオストメイト対応の設備がなかったりといった、初めて直面するストレスや不安を感じることもあるかもしれません。
そうした事態に備えるために大切なのが、「事前の準備」と「仕事中の対策」です。自分の働き方や体調に合わせて環境を整え、必要なケア用品をそろえておくことで、不安を最小限に抑えることができます。
職場復帰をスムーズにするための3つの準備
復帰後の不安を減らし、安心して仕事に従事するためには、事前の準備が鍵となります。ここでは、職場復帰をスムーズにするために済ませておきたい3つの準備をご紹介します。
働き方と職場環境の確認
まず、ご自身の体調を第一に考え、復帰のタイミングを主治医やストーマケア専門の看護師に相談してください。体力が完全に回復するまでには個人差があるので、焦る必要はありません。可能であれば、雇用主と相談し、復帰後数週間はパートタイムや時短勤務から始めると安心です。無理のないペースで体を慣らしていくことをおすすめします。
また、職場のトイレの場所や設備を確認しておくことも重要です。近年、商業施設や駅などでオストメイト対応トイレが増えています。これらのトイレには、排泄物の処理や装具の交換がしやすい汚物流し台などが備えられています。勤務先やその近隣に利用できるトイレがあるか事前に確認しておくと、緊急時にも安心です。
通勤ルートの事前シミュレーション
通勤中に急な排泄トラブルが起こる可能性を考慮して、仕事の復帰前に出勤ルートをあらかじめシミュレーションしておくことも重要です。特に満員電車に乗る方や、長時間の移動がある場合は、トイレへ立ち寄れる駅や施設を確認しておくと安心です。
駅構内や商業施設にある多目的トイレ(オストメイト対応)を事前に確認し、実際に利用しやすいかどうかをチェックしておくと、いざという時も慌てずに済みます。
また、自分にとって使いやすく安心できる“お気に入りトイレ”をいくつか見つけておくと、通勤中の不安は大きく軽減されます。スマートフォンの地図アプリなどでマークしておくと便利です。
オストメイト対応トイレの検索には「オストメイトJP」というサイトがおすすめです。全国のオストメイト対応トイレの場所を詳細に検索でき、設備の充実度や利用者の口コミなども確認できます。このようなツールを活用して、安心して通勤できる環境を整えておきましょう。

ストーマケア用品の準備
万が一の事態に備え、職場には常に交換用のストーマ用装具一式とケア用品を準備しておくことをおすすめします。また、外出時には以下のものをコンパクトなポーチなどにまとめて常に携帯する習慣を身につけると安心です。
- 交換用ストーマ用装具:1セット
- ウェットティッシュ
- ゴミ袋(使用済み装具を持ち帰るため)
- 下着:1組
【状況別】安心して仕事をするための対策
職場復帰後の生活は、想定外の出来事が起こることもあります。しかし、事前に想定して対策を立てておくことで、不安や焦りを大きく減らすことが可能です。
ここでは、ストーマ保有者が職場で直面しやすい課題と、その対策を紹介します。
においへの対策
職場のトイレは、他の利用者もいるため、「排泄物のにおいが気になる」と感じる方は少なくありません。特に男性トイレには汚物入れがない場合もあるため、においの対策は大切です。
その対策として有効なのが、携帯用の消臭スプレーです。バッグに1本入れておけば、外出時やトイレの使用後も安心です。
ニオフ消臭スプレー ミニボトル50mL
亜鉛イオンが特定の臭気成分と反応することで、においのもとを減少させる独自の消臭技術(リコンビネーション消臭)を採用しています。

体を動かす仕事での対策
介護、配送、建設など、体をよく動かす仕事では、重いものを持ち上げたり、汗をかいたりする機会が多くなります。こうした環境では、装具が剥がれやすくなったり、傍ストーマヘルニア※のリスクが高まったりする可能性があります。
このような場合は、まず主治医やストーマケア専門看護師に相談し、職場復帰に無理がないかを確認しましょう。また、安定性を高めるために、耐久性の高い皮膚保護剤を使用した装具や、面板の周りをテープで補強する製品、ストーマベルトなどを利用するのもおすすめです。
※傍ストーマヘルニア(ぼうストーマヘルニア):ストーマ造設の際、腸管を引き出すために腹壁に作成した孔から、腹腔内の小腸や、胃の下側から垂れ下がった薄い膜状の組織である大網(だいもう)などが脱出してストーマ周囲の皮膚が膨らんだ状態のこと。
ストーマアクティブベルト
面板の剥がれが心配な方におすすめの、メッシュ素材で軽い・薄い・蒸れない・目立たない固定ベルトです。ストーマ用装具を安定させ、外出時の不安を軽減してくれます。

ブラバ ベルト
着用時には目立たず、身体に合わせて自由に長さを調節できるため、面板をしっかり固定できます。面板と皮膚の密着性を高め、スポーツや体を動かす際にも安定した使用感を提供します。

服装選びでの対策
ストーマ保有者の方も、基本的には好きな服を着ることに問題ありません。ただし、装具の圧迫やズレを防ぐために、少しゆとりのあるデザインを選ぶと、より快適に過ごせます。
スーツや制服などでベルトが必要な場合、ウエスト部分を締めつけないように調整してください。サスペンダーを利用すれば、見た目を損なわず、ストーマ周辺の負担を軽減できます。
なお、長時間座っているデスクワークの方は、ウエスト部分の締めつけが圧迫感を生みやすいため、伸縮性のある素材やウエストの調整が可能な服を選ぶとよいでしょう。
服装の工夫については、以下の記事でも詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
職場の円滑なコミュニケーションのポイント

ストーマがあることを職場の人に伝えるべきか、悩む方も多いのではないでしょうか。ストーマがあることについて必ずしも全員に話す必要はなく、誰にどの程度伝えるかはご自身で決めていただいて構いません。
しかし、急な体調不良や業務上のサポートが必要になる可能性を考え、信頼できる上司や親しい同僚など、限られた人に伝えておくという選択肢もあります。その際は、以下のポイントを参考にしてください。
- 誰に伝えるか
直属の上司や業務で密接に関わる同僚など、サポートが必要になった際に頼れる人を選びましょう。 - どの程度伝えるか
ストーマがあること自体を伝えるか、それともストーマがある事実には触れず「体調によっては休憩をこまめに取りたい」といった必要な配慮だけを伝えるかを決めましょう。 - 伝えるタイミング
体調が安定している時や、業務の区切りがよい時など、落ち着いて話せるタイミングを選びましょう。 - 相談する内容
「勤務時間中にトイレで度々離席することがあるかもしれない」「体調が優れない時に少し休憩を取るかもしれない」など、具体的にどのような配慮があると助かるかを伝えましょう。
このように事前に相談しておくことで、周囲の理解が得られやすくなり、ご自身も安心して働くことができます。
ストーマに関するご相談はヤガミホームヘルスセンターへ
ストーマ造設後の職場復帰は、決して特別なことではありません。事前に準備をし、環境に合った対策を取ることで、誰でも自分らしく仕事に取り組むことができます。
今回紹介した内容は、「よくある不安とその対処法」の一例です。実際は人それぞれの生活スタイルや職場環境に合わせて、細かな工夫が必要になります。そうした時に心強いのが、専門スタッフのサポートです。
ヤガミホームヘルスセンターでは、ストーマ保有者の方が快適な毎日を送るための製品を多数取り揃えているほか、専門の相談員が皆様のお悩みやご相談に応じています。どんな些細なことでも、お気軽にお問い合わせください。
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ストーマ用品オンラインショップ ヤガミホームヘルスセンター「e.よりそうだん」
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