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退院後の不安を解消!ストーマ用装具の交換方法を解説

退院してからのストーマ用装具の交換方法や手順に、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ストーマ用装具の交換について、基本的な手順やポイントを解説します。
正しい知識を身につけることで、安心して快適な毎日を送れるようサポートします。

交換の重要性

ストーマ保有者が快適な生活を送るためには、ストーマ用装具の交換を適切なタイミングで行うことが大切です。 ストーマ用装具には、それぞれ適切な交換時期があります。装具の交換時期が早すぎると、装具を剥がす時に皮膚が傷ついてしまうかもしれません。逆に装具の交換時期が遅すぎると、装具が劣化して排泄物が漏れ、合併症を起こす可能性があります。

交換のタイミングと交換頻度

ストーマ用装具の交換は、種類により適切なタイミングがあります。具体的には以下の3種類です。

  • 短期交換型(粘着力は弱い):1〜3日で交換
  • 中期交換型(粘着力は中間):3〜5日で交換
  • 長期交換型(粘着力は強い):5〜7日で交換

実際にストーマ用装具の交換が適切なタイミングでできているかどうかは、使用した面板の皮膚保護剤を確認することで判断できます。皮膚保護剤の溶け(溶解)やふやけ(膨潤)が5mm程度であれば、適切な時期に交換できています。一方で、皮膚保護剤の溶けやふやけが1cmを超えている場合は、交換時期が遅れているため、もう少し早めのタイミングで交換が必要です。

汗ばむ時期では、面板が汗の水分を吸収し装具が剥がれやすくなります。いつもより少し早めに交換することを心がけてください。

まずはご自身の装具の状態や肌の状態をよく確認し、専門外来で相談しながら最適な交換タイミングを見つけることが大切です。

交換に必要な物品

ストーマ保有者ご自身が交換する際、一般的に必要なものは以下の通りです。

  • 交換用のストーマ用装具(面板・パウチ)
  • 剥離剤(面板を皮膚から剥がす時に使います)
  • 石鹸(泡が出るポンプタイプが便利です)
  • ビニール袋(剥がした装具などを入れるため)
  • 不織布ガーゼやガーゼ、ない場合はティッシュペーパー(ストーマ周囲の清拭と乾燥のため、またストーマからの排泄物の処理のため)

ストーマの合併症が起きるリスクを軽減するために、交換前に物品を準備して交換作業をスムーズに行います。

他にも、状況に応じて必要となる専用の物品があります。まずは専門外来で確認してみてください。

交換をスムーズに行うための準備とポイント

ストーマ用装具の交換をスムーズに行うためには、場所選びと事前の準備が重要です。

1. 適切な交換場所

交換場所は、自宅であればトイレや浴室、洗面所などで行います。

外出時は、オストメイト対応トイレ(「多機能トイレ」や「多目的トイレ」の名称の場合もあります)の場所を事前に調べておくと安心です。駅や空港、公共施設や大規模デパートなどに設置されており、安心して装具の交換ができます。

オストメイトトイレの検索サイトはこちら

オストメイトJP

2. 交換前にパウチ内の排泄物を処理する

交換前にパウチ内の排泄物をトイレに流します。パウチの排泄口は種類によって留め方が異なりますので、お手持ちのパウチをご確認ください。

交換の手順

ここでは、ストーマ保有者ご自身が交換する手順で解説します。

1.ストーマの大きさに合わせて面板の穴をカットする

新しい面板の開口部を、ご自身のストーマの大きさに合わせて適切にカットします。プレカットタイプの面板を使用すると、カットの手間を省けます。

2.(ツーピースの場合)面板とストーマ袋をあらかじめ合わせる

交換前に合わせておくと、スムーズに装着できます。

3.使用中の装具を剥がす

剥離剤を使い、使用中の装具をゆっくり剥がします。強く剥がすと皮膚が傷つきますので、注意してください。

4.ストーマ周囲の皮膚を洗う

装具を剥がした後、よく泡立てた石鹸でストーマ全体を優しく洗います。ゴシゴシとこすらないように気をつけてください。洗った後は、ガーゼ等で水分を優しく拭き取ります。

5.事前に準備した装具を貼る

準備したストーマ用装具を貼り付けます。最初に面板をストーマのきわに合わせると、ストーマの中心に装具を貼れるでしょう。

腹部のしわがあるまま装具を貼ると、しわの部分から排泄物が漏れる可能性があります。貼る時はしっかりと伸ばしてください。

交換時のストーマ観察項目

ストーマ用装具の交換時にストーマや周囲の皮膚の状態を観察することは、ストーマの状態を良好に保つ上で非常に重要です。「なにか変だな?」と思ったら自己判断せず、早めに専門外来の受診を検討してください。

ストーマの周囲

通常、ストーマはきれいなピンク色をしています。周囲にかぶれ、ふやけがないかを観察してください。「排泄物がストーマに付着したままになっている」「面板が肌に合っていない」などの理由で、ストーマ周囲の皮膚が炎症を起こしてしまう可能性があります。

面板を貼っていた皮膚

面板を剥がす際の刺激が強いと、皮膚がかぶれてしまいます。装具の交換を優しくする、肌に合った皮膚保護剤に変更するなど、工夫してみてください。

面板を貼っていた皮膚が赤くなっていないか、ブツブツした発疹が出ていないかを観察してください。「面板を剥がす時に、一気に剥がしている」「面板が肌に合っていない」などの理由で、皮膚がかぶれてしまうことがあります。

ストーマ用装具の交換でよくある質問

Q.装具の交換は医療行為なの?

A.原則医療行為ではありません。
厚生労働省は平成23年7月5日に「状態が安定していて専門的な処置が不要なケースであれば、介護職員などがストーマ用装具を交換しても問題ない」という通知を出しています。 ただし、ストーマの状態や皮膚の状態に少しでも違和感があれば、専門外来を受診してください。

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【参考】
・松浦信子・山田陽子、快適!ストーマ生活―日常のお手入れから旅行まで 第2版(医学書院)
・倉田順子・片山育子・河村光子、ストーマケアはじめてBOOK(株式会社メディカ出版)
厚生労働省|ストーマ装具の交換について(平成23年7月5日)(医政医発0705第3号)